AI農業のAGRIST株式会社

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テクノロジーで農業課題を解決した先にあるのは全人類の幸福「ウェルビーイング」の実現:代表取締役 兼 最高経営責任者 齋藤潤一

2020年11月11日 2020年

テクノロジーで農業課題を解決した先にあるのは全人類の幸福「ウェルビーイング」の実現:代表取締役 兼 最高経営責任者 齋藤潤一

プロフィール

米国シリコンバレーの音楽配信会社でクリエイティブ・ディレクターとして従事。帰国後、2011年の東日本大震災を機に「ビジネスで地域課題を解決する」を使命にNPO法人を設立。「デザイン思考」の手法を地域づくりに取り入れ、多くの成功事例を創出した活動は「シリコンバレー流地域づくり」として日経新聞で紹介されるなど数多くのメディアに出演。
これらの実績が評価され、2017年新富町役場が設立した地域商社こゆ財団の代表理事に就任。1粒1000円ライチの開発やふるさと納税で寄付金を累計50億円集めることで移住者や起業家が集まり、2018年12月国の地方創生の優良事例に選定され首相官邸で事例発表を行う。新富町でも顕在化してきた農業課題の解決に向けて、2019年に農業ロボットベンチャーAGRIST株式会社を創業。

AGRIST創業のきっかけ

私達は2017年から農家らと一緒に「儲かる農業研究会」という勉強会を開催してきました。そこでは、農産物の収穫の担い手不足がまさに顕在化しており、それにつれて、多くの農家から「収穫ロボットは必要だ」という声が大きくなるのを実感していました。
そんな中、2018年に北九州工業専門学校で講演した際、現在の最高技術責任者の秦と出会いました。秦は国全体の農業課題の深刻さと、実際に宮崎県新富町で起きている現状を知り、それをどうにかしたいという私の思いに強く共感してくれました。もともと農業に興味関心があったこともあり、彼と一緒にすぐにロボットの開発が始まりました。

新しい産業を創造する

次に課題となったのは資金繰りです。ロボットを開発し続けるには資金調達が必須でした。そこで以前から親交があったドーガン・ベータのベンチャーキャピタリストである津野さんに相談し、試作機をお見せしたところ、出資いただくに至りました。そこからプロジェクトは本格的に動き始めました。その後、地元銀行のベンチャーキャピタルや、大企業ENEOSも我々の思いに共感してくださり、収穫ロボットを実現可能とするのに十分な資金を集めることができました。今後はより一層のスピード感を持って開発を進めていきます。
試作機をつくり、ロボットの稼働が始まると「めざましテレビ」などの多くのメディアで取り上げていただき、日本中からお問い合わせを受けるようになりました。ビジネスコンペティションにも登壇し、2020年は累計8つの賞をいただきました。これはひとえに、後継者不足などの日本の農業課題に対する危機感を感じていらっしゃる方が多く、注目が集まっているからだと捉え、身が引き締まる思いでいます。

農場で開発する顧客視点が最大の強み

AGRISTのロボット開発には他社にはない強みが大きく2つあります。1つ目が開発拠点を農家のビニールハウスの隣に設置している点です。それにより、顧客の声を聞きながらよりスピード感のあるPDCAをまわしながら開発を行っています。2つ目は、ロボットをつくるだけではなく、しっかりとマーケティングをしながら持続可能なビジネスを作るという、ビジネスとテクノロジーをかけ合わせている点です。この2点があることで”安価で汎用性の高い”ロボットを、スピード感をもって世界中に拡大し、世界の農業課題を解決をしていけると考えています。

農業課題の解決の最終形は人類の幸せである

AGRISTは、今の事業の延長線上に「世界の食料問題の解決」と、「人類のウェルビーイングの追及」という大きなビジョンを描いています。
ウェルビーイングとは「幸福」だったり「よりよい状態である」ということを意味しているのですが、すごく概念的ですよね。
それぞれ人によって幸せの定義は違います。
僕が考える幸せの定義の中で、マズローの五大欲求の底辺である生理的欲求(食欲、睡眠欲、性欲)を満たすことがウェルビーイングな状態の第一歩だと考えています。
農産物が何不自由なく食べられる状態、そして美味しい物を食べている瞬間は、人生そのものを楽しめるでしょう?
僕が描いている最終型の未来は、世界中の人がそんな幸せを描ける状態に持っていくことなのだと思います。

できるかできないかではなく、やるかやらないか

将来的には、ソフトウェアサービス(Saas)を使って中国、インド、アフリカなどの世界展開も考えています。アフリカは人口増加にともなう食料不足により、農業課題が日本よりも喫緊です。ICT国家を目指すアフリカの成長には、日本で農業が開始された時のように農場に鍬(くわ)をもって入るのではなくて、スマートフォンを活用するアグリテックの活用が重要になるでしょう。
農業用ロボットを活用すれば、人間が労働作業が困難と思われる熱帯地域でも収穫作業を行うことができるようになります。我々のロボット開発はアフリカを代表とする発展途上国の食料問題の解決にもつながると考えています。
最終的な目標は、宇宙で農業をする未来の実現です。無人のロボットが、宇宙に降り立ち、3Dプリンターで農園ハウスを建て、液肥をまき、収穫まで行うことで、人類が住み始めるための土台作りをしてくれる、人類が暮らすための一歩を担うことができると想像してます。

テクノロジーで農業課題を解決するというAGRISTミッションに共感し、100年先も持続可能な農業を実現するための農業ロボットを開発したいという方はぜひご応募いただきたいです。

取材は2020年11月時点。内容は一部変更しております。

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