「日本の農業を守ることは日本の伝統を守ること」取締役 兼 最高執行責任者 高橋慶彦

採用情報

プロフィール

AGRIST株式会社 取締役COO/共同創業者 10歳から家業の印刷会社で働く。米国シリコンバレーの大学でデザインを学び、広告代理店を設立。メディア開発・人財育成・空き家再生を事業化し、宮崎県新富町へ移住。農業課題を解決するAGRIST設立。EO North Japan 理事。

AGRISTの存在意義

ミッション・ビジョンとして掲げているように、世界の農業の課題を解決し、100年先も続く農業を実現することが、私たちAGRISTの存在意義です。そして、この核となる志に共感したメンバーの集団が、AGRISTです。 私自身も、このミッション・ビジョンに共感しメンバーとなりました。今、私の中にあるのは、日本の産業と文化の根幹である農業を守り、人類の未来に貢献するという意志です。

農業地域・秋田で生まれ育ち宮崎へ移住

その背景にあるのは、幼少期の体験と農業に対する想いです。私の故郷は、秋田県の南部にある横手市雄物川町という場所です。本当に田舎で、横手盆地という盆地の中、見渡す限り田園風景が広がっています。実家は10軒弱の集落にあり、南北に1kmくらい、東西は10数kmにわたって田んぼしかないような所です。 私が小学5年生の時、父が会社を創業するまでは、いわゆる兼業農家でした。幼少期は、お米が育つのを種まきから見てきたり、稲刈りを手伝ったりしていましたので、自分にとって農業は身近な存在であり、地域にとって大切なものだと感じていました。 また、祖母が畑で家庭用に野菜やイチゴを育てていたり、近所の方々から色んな野菜を貰ったりしていましたので、新鮮で美味しいお米や野菜を食べている自負がありました。しかし、地方創生を実現するために宮崎県新富町に移住し、野菜を食べて、その美味しさに衝撃を受けました。特に、ピーマン・きゅうり・トマト・ズッキーニは、別格だと感じました。

儲かる農業とテクノロジーの融合

移住して宮崎県新富町の農家さんと関わるようになり、その理由が分かりました。もちろん、宮崎という気候や土地の利もありますが、品質と収量を高めることと稼ぐ農業への意識がもの凄く高いということです。 例えば、宮崎県新富町の若手農家さん10名弱が、毎月1時間半から2時間ほど、「儲かる農業研究会」という勉強会を自主的に行っています。そこでは、夕方6時半ぐらいから、お酒を一滴も飲まず、自分たちの勘や経験だけでなく、IoT機器を使ってセンシングした様々なデータに基づいて、コンサルを入れながら、改善するための議論と経験・情報の共有を行なっているのです。 本当に自分たちが良いものを作って、それを消費者に届けて、その結果として、自分たちの所得を上げるため、真剣に真摯に取り組んでいる姿勢に感銘を受けました。それと同時に、これまで農家さんの手や目や頭で行なってきた部分をテクノロジーで補う重要性を感じました。

農業の危機は日本の危機

故郷である秋田県横手市や宮崎県新富町を含めて、日本全国で農家さんの高齢化が進み、人手不足や後継者がいないという状況を見て、このままでは日本の農業は大変なことになるという危機感はずっとありました。 なぜなら、農業の衰退は、自給率の低下、そして、国力の低下に直結すると考えていたからです。加えて、田畑が荒れ、放置された空きハウスが増えていくというのは、それだけで地域衰退の象徴となります。 私は、日本において、農業と食と文化が密接に繋がっていると考えています。例えば、文化の象徴の1つとして挙げられる「祭り」。その多くは、五穀豊穣や地域の発展を神に祈ることに起源があります。これまで、日本人が紡いできた文化や歴史というのは、農業と切り離せないものです。農業が廃れていけば、いずれ文化が廃れていくでしょう。なぜなら、風習や慣習の意義自体が喪失してしまうからです。 日本の地方において、農業は産業と文化の根幹であり、農業を持続可能なものにすることは、地域を持続可能なものにすることへ繋がると私は考えています。

テクノロジーの活用で儲かる農業を実現

しかし、今から急に若い人たちに農業をやりましょうと言って農業人口を増やすことは、容易ではありません。実際、農家さんの多くが、子どもに農業をやろうと推奨していない現状があります。その根幹にあるのは、「農業は儲からない」という是正すべき認識があるからです。 今後、日本の農業を考える上で私は、大きく2つのポイントがあると考えています。1つ目は、儲かる農業を実現すること。もう1つは、人手不足を補うテクノロジーの活用です。 私は、農家さんを尊敬しています。なぜなら、多くの農家さんが、日本の食を支えるという使命感をもって、農業に取り組んでいるからです。しかし、使命感だけでは、持続可能にならないのが現実です。日本の若者が、「農家になりたい。自分が日本の農業をより良くしたい。」と考えるには、産業として儲かるというのは必須条件だと考えています。 その上で、現状の少ない人的リソースの中、いかに効率的に儲かる農業というものを実現していくかを考えた時、テクノロジーの活用が鍵となります。IoT・ロボット・AIなどのテクノロジーをきちんと農業に掛け算できれば、日本の食や文化を守ることにつながり、さらに言えば、これから世界規模で訪れる食糧問題に対して、日本という国が様々な貢献をできるようになります。

日本の魅力を世界に伝える

私は、これまで紙のメディアに関わる印刷業、デジタルなメディアに関わる広告代理業、リアルなメディアに関わる空き家・空き店舗の再生プロデュース開発というビジネスを通じて、「日本の魅力を世界に伝える」という使命を実現してきました。 日本の魅力として、食と食に関連する地域の文化や歴史は、世界に誇れるものだと考えています。だからこそ、その価値を伝えて、それを紡いでいきたいと考えています。 今回取り組む農業ロボットの開発は、全く異なるドメインの様に感じるかもしれませんが、自分自身の中では、幼少期の体験から農業に対する想い、農家さんへの感謝と尊敬の念、日本の魅力を世界に伝えるという使命という連続性と一貫性があります。

農業を守り幸せの連鎖をつくる

また、食べることが好きな私にとって、美味しいものを作ってくれる農家さんはとても重要な存在です。そんな農家さんが良いものを作ってくれる環境づくりのお手伝いをして、農家さんがもっと幸せになってくれたら、それ自体が、私を含めたみんなの幸せに繋がると信じています。 私がローカルでビジネスを始める時に大切にしている考えの1つに、「地域の人にとって誇れる場をつくる」というものがあります。宮崎県新富町を含め、日本の地方の多くは、主幹産業が農業ですので、農家さんがもっと元気になって、もっと幸せになれば、それ自体が地域の人たちにとって誇りになると考えています。 それを個人的にも関心の高い、ロボットやAIを活用したビジネスで実現できることに、ワクワクしています。宮崎県新富町の若手農家さんは、その活用に抵抗感が無いので、共にチームとして、その開発を進めていけることも非常に楽しみです。

小さな町から、農業にイノベーションを起こす

人口約1万7000人の小さな町でスタートする取り組みが、日本の農業の課題を解決する。そして、そこで蓄積した技術と叡智が、これからの世界の農業の課題を解決していく。その結果、100年先も続く農業と地域を実現する。 AGRISTの一員である誇りを胸に、人類の未来のため、事業を推進していきます。そして、そんな未来をつくるチームとして共にチャレンジしていきましょう!

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